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「わたしたちは、信じてるのぉ」
そう励ましてくれたロコとモコはお家でお留守番。
わたしは、学校の正門で織菜ちゃんを待っています。
朝はあんまり時間がないし、そういった話をする感じじゃなかったから。
だから、放課後に一緒に帰ろうって誘いました。
織菜ちゃんは委員会活動をしているので、
部活も何もしていないわたしが待つのは、いつものことなのです。
学校から外に出て行く生徒を眺めながらわたしは考えます。
どんな話をしたら良いのかなって。
昨日、ロコとモコに言われてからずっと考えているんだけど、
正しいと思える答えが見つかりません。
それはきっと、正解も不正解もないからなのかもしれません。
だからわたしは、チャレンジするつもりで織菜ちゃんと話すことにします。
相手を見て、会話のなかで分かることを、手探りで探すしか方法はないから。
友達だって言っても、大切に想っている相手だとしても、
分かり得る気持ちっていうのは、とっても透き通っているものだから。
「待たせちゃったね、想」
小走りでわたしのもとに来る織菜ちゃん。
きっと、わたしをすこしでも待たせないようにしようと走ってきてくれたんだ。
そんなところが嬉しくて、可愛らしくて素敵だと思う。
「ううん。そんなことないよ。さ、行こ」
わたしたちは、いつも待ち合わせをしている公園に向かいました。
やっぱり、思い入れのある場所だからこそ、
いろいろと話ができると思うから。
この場所なら、わたしの緊張も少しはほぐれるみたいだし。
「ブランコって、こんなにちっちゃかったかな?」
わたしと織菜ちゃんが並んでブランコに座ります。
そのとき、わたしは懐かしさに似た淡い寂しさを感じました。
「そう? わたしはそんなに小さいと思わないけど」
「うん。すごく久しぶりだから、かな」
「えへへ、実はわたしこのブランコに乗るのは久しぶりじゃないんだよ」
「え?」
「たまーにね。ここの公園に来たりしてるのよ」
「へぇ、そうなんだ」
知らなかった。織菜ちゃん、ここに来てたんだ。
やっぱり、知ってるようで、わたしは織菜ちゃんのことを知らない。
それは、わたしがわたしの気持ちを出していなかったことに
関係があるのかもしれません。
わたしは一歩踏み出して良かったと、このとき感じました。
でも、しっかりしないといけないところがあります。
ずっと、ずっと織菜ちゃんと一緒にいるためと思って、
捨ててきた大切な気持ち。わたしの前に現れたロコとモコの想い。
わたし、頑張るから。
見守ってて、ロコ、モコ。
ココロコモコ その11
ココロコモコ その13